こんにちは、作曲家のたかゆきです。
Twitter:@nobel4282
さまざまな楽器でメロディー以外の演奏を作る「編曲」は、必要とされる知識や工程が多く、難しいですよね。
私も作曲をはじめた頃は、いつも編曲に苦戦していました。
その頃、私が通っていた音楽の専門学校にて、パソコンで作曲を行う「DTM」の授業がありました。
そこで、「簡単な編曲のやり方」を学んだのです。
これを取り入れることで、以前よりもスムーズに、編曲が進むようになりました。
そこで今回は、「簡単な編曲のやり方」を、ご紹介したいと思います。
もくじ
3つの用語を覚えよう
これからの解説に必要となりますので、まずは下の3つの用語を覚えましょう。
DAW(ダウ)
パソコンで一通り作曲ができる、ソフトの総称です。
DAWにはさまざまな種類があり、それぞれ使い方が異なります。
詳しい使い方については、お使いのDAWのマニュアルを、ご参照ください。
MIDI(ミディ)
DAWに打ち込む、演奏データのことです。
リージョン
MIDIなどを格納する、入れ物のことです。
作る曲のジャンルを決めよう
音楽でいうジャンルとは、「ロック」や「バラード」などのことです。
最初に作る曲のジャンルを決めることで、方向性が見え、スムーズに編曲を進めることができます。
ジャンルの名前が分からない場合は、参考にする曲を探し、その曲について調べてみてください。
使う楽器を決めよう
作る曲のジャンルに合わせて、使う楽器を決め、お使いのDAWに設定しましょう。
例えば、ジャンルがロックなら「ギター」や「ベース」などの、ジャンルがバラードなら「ピアノ」や「ストリングス」などの楽器が使われます。
ストリングスとは、「ヴァイオリン」や「チェロ」などの、弦楽器のことです。
よく使われる楽器については、「作曲の知識 ポピュラーなジャンルの音楽に使われる楽器」という記事で、分かりやすく解説しています。
こちらの記事を参考にしたり、調べたりして、必要な音源を揃えましょう。
メロディーとコード進行を作ろう
コード進行とは、複数のコードを連立させて、音楽を進行させるものです。
ここで重要なのが、「スケール」というものを意識して、メロディーとコード進行を作るということです。
その方法については、「ピアノで作曲 音がぶつからないメロディーとコードの作り方」という記事で、分かりやすく解説しています。
こちらの記事を参考に、先ほど決めた楽器のひとつで、メロディーとコード進行を作りましょう。
メロディーとコードは、スケールをもとに作られます。
そのため、最初にスケールを意識して丁寧にメロディーとコード進行を作ることで、後に正確かつ効率的な編曲につながるのです。
他の楽器の演奏を作ろう
先ほど作ったメロディーとコード進行をもとに、他の楽器の演奏を作りましょう。
メロディーとコード進行と同じように、スケールを意識して作ることが大切です。
もちろん、ドラムセットなどの音程が関係ない楽器は、スケールを意識する必要はありません。
では、どのような演奏を作れば良いのでしょうか?
それは、音楽をたくさん聴いて学ぶことが、最も近道であると考えます。
何の楽器が、どこでどのように使われているのか、集中して音楽を聴きましょう。
楽器の名前が分からない場合は、参考にする曲を探し、その曲について調べてみてください。
触れる機会の少ないストリングスの打ち込み方については、「DTMで作曲 ストリングスの打ち込み方」という記事で、分かりやすく解説しています。
編曲の手順については、正解はありません。
私は、「ベースの演奏→ピアノやギターなどの伴奏→ドラムセットの演奏→その他の楽器の演奏」という手順で、編曲を進めることが多いです。
そのため、今回はこの手順をもとに、解説していきます。
ベースの演奏の作り方
先ほど作ったコード進行の、「ルート」のMIDIを選択し、ベースのリージョンにそのままコピーします。
ルートとは、コードの基本形の一番低い音のことです。
そして、コピーしたMIDIをツールの「ハサミ」でカットし、思いつくままにリズムを作ります。
それと同時に、ベースの演奏に変化をつけます。
このとき、コードが切り替わるときの最初の音は、基本的にはベースをルートの音にします。
こうすることで、しっかりとコードの響きを主張しつつ、ベースの演奏に変化をつけることができます。
ピアノやギターなどの伴奏の作り方
先ほど作ったコード進行のMIDIを選択し、それぞれの楽器のリージョンに、そのままコピーします。
使う楽器によって演奏方法が異なりますので、それに応じてコピーしたMIDIを、修正してください。
そして、コピーしたMIDIをツールの「ハサミ」でカットし、ベースとマッチするリズムを作ります。
それと同時に、細かいフレーズを作ります。
メロディーの合間を埋めるように短いフレーズを入れたり、メロディーと綺麗にハモるようなフレーズを入れるのがコツです。
主役はメロディーですので、メロディーを引き立たせるようなフレーズを、上手に入れることが大切です。
ドラムセットの演奏の作り方
まずは、基本となるリズムを作ります。
スネアドラムやハイハットシンバル、ライドシンバルは、基本的には一定のリズムをきざみます。
バスドラムは、ベースと似通ったリズムにすることがポイントです。
こうすることで、ベースのリズムの存在感が増します。
基本となるリズムができたら、コピーしてループさせ、要所に「フィルイン」を入れます。
フィルインとは、曲のつなぎ目や最後に入れる、変化をつけた即興的な演奏のことです。
ここで、タムやクラッシュシンバルなどを活用しましょう。
他の楽器の演奏の作り方
メロディーの合間を埋めたり、メロディーと綺麗にハモるように、さまざまなフレーズを作ります。
このとき、使われているすべての楽器の演奏をよく確認し、音がぶつからないように注意してください。
そのため、前述の「ピアノで作曲 音がぶつからないメロディーとコードの作り方」という記事を参考に、スケールを意識して作ることが大切です。
まとめ
ここまで述べたように、作る曲のジャンルと使う楽器を決め、スケールを意識してメロディーとコード進行を作ります。
そして、メロディーの合間を埋めるように短いフレーズを入れたり、メロディーと綺麗にハモるようなフレーズを入れましょう。
この記事でご紹介した、「簡単な編曲のやり方」を取り入れれば、スムーズに編曲が進むようになりますよ。
ぜひ、あなたが次に曲を作るときに、さっそく試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。